Pas-bumba

ブラジルに広く伝わるボイ文化を知りたい人間の学習発表会

お馴染みのToada

さてさて今回はお馴染みのToada特集です!!

 

最近のガランチードは盛り上げる系の曲が多いので、この記事でも意識的に取り上げてみました。

長年の名曲も勿論ありますけれど!

 

では見ていきましょう。

 

 

 

 

近年よく登場する曲

カプリショーゾみたいに、またこの曲!みたいなのが少なくてこの項目苦労しました(・・;)

なんとか捻出した曲たちはこちら!

 

1)Rubra Rainha(2011)

サークルでも絶対毎回やりますね。

現地ボイでも頻繁に披露される曲。

 

タイトルの通りハイーニャの時に使われがちですが、他の項目のときにも用いられがち。

勝負曲であり、名刺のような曲でもあります。

 

 

2)Deusa Cunha(2003)

これもちょいちょい要職ダンサーさんに使われます

覚えておいて損はないです!!

 

 

3)Diva Rainha(2006)

1のRubraかこっちの曲がハイーニャのメインバッターな気がします。

ちょいちょい歌詞や遊びがアレンジされがちで面白いです。

 

 

 

ファン人気が高い曲

1)Sou Garantido(2009)

ジャニーズJr.におけるVenusみたいな立ち位置の曲です(意味わからん)。

 

 

2)Velmelho(1997)

そのまま赤という曲。

登場頻度が高い訳ではないながら、出てくると熱いです。

 

 

3)Festa da Raça(1997)

たまに出てくると「あ〜〜!!」ってなるそれですね笑

 

 

4)Miscigenação(2011)

登場回数が多い曲ではないながら、とっても愛され曲

 

 

5)Louco Torcedor(2001)

イベントや公開練習では割と鉄板な曲

私も大好きです〜♡

 

 

 

私が好きな曲

さあやってきましたお馴染みの(?)私の時間です!!

 

1)O  Principio da Festa(2017)

パーティーの始まりという楽曲なのに、掴みの曲にされなかったのはなぜなのか

私はずっと考えています。

 

 

2)Meu Eterno Garantido(2013)

すっごくマトラッカ(ブラジル版のクラベス)の音がきいててかっこいい一曲です。

そして踊りもすごく楽しいんです♡

 

 

3)Pandre(2015)

これサークルでやったのを機に激ハマりした曲ですね。

巫師の曲の中では圧倒的に好きですね。

この曲も振り曲などでちょいちょいお目見えしています。

 

 

4)De  Coracao(2017)

後半の盛り上がりまでが良いですね。

観客大合唱曲の一つ。

 

5)Meu Nome É Povao(2019)

一個前の項目に挙げようか迷った曲でもあります。

これもサビの大合唱が楽しい一曲。動画の前半、ガレーラがすごく楽しそうですよね!

 

 

 

 

つらつら紹介してみました〜

今ボーカルをやってる方、ヒゲのあるなしですごく印象が違います。

どちらが好きですか〜??

 

ヒゲあり↓

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ヒゲなし↓

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あと太ったり痩せたり忙しいです

 

ここまでだいぶアマゾンに傾倒してきましたが、お次の記事はマラニョン州のボイを特集します!

知ってるようで知らないブンバ・メウ・ボイを探ってしまいましょ〜

 

 

 

 

今年のToada〜ガランチード編〜

こんにちは!

私事ですが給付金でiPadを買いまして、この記事から使っております。キーボードと一緒に使っていますが、画面が大きいと便利ですね^^

 

今回の記事は引っ張りまくったガランチードの今年の楽曲紹介です〜

お馴染みの楽曲もこの次に同時公開してるので、ぜひ併せてお読みください。

 

 

 

 

まずは今年のCD収録曲のプレイリスト貼っておきます↓

↑右上の三を押すと再生リスト見られます↑

 

今年のテーマは「我々は森の民」。

カプリショーゾはすごく具体的にストーリーを作っているのに対し、ガランチードはショーをすごく意識している印象です。なので掛け合いとか、一緒に歌うところが多く、盛り上がる構成となっていますよ!

 

 

 

1.Chegada do Boi Garantido

この島を踏み、掌握するのは誰だー!

俺たち(ガランチード)だーーー!!\ヘーーーイッッ/

って感じの曲です。熱い。

 

 

3.Povos da Floresta

テーマの通りですね。いわゆるタイトル曲。

去年のNos o Povo!とすごく歌詞のテイストが似ています。

 

参考:

サビにご注目。

 

去年のテーマは「我ら人間!」ということもあって、どんな職業どんな人種であってもボイ・ブンバのために赤を纏う!(とてもとてもとても意訳)といった内容の歌。

 

Povos da Florestaは黒人は〜をもたらした、白人は〜、インディオは〜って感じの歌詞。色んな伝統や音楽が融合して今のガランチードがあるよといった歌なんですね。

 

去年も今年もみんなで歌う曲(採点項目11にアプローチするものはみんなで歌うことを想定されているんです!)にこういった歌詞のものを選ぶということは、なんとなくテーマよりもガランチードというチームにすごく拘っているような感じがします。

 

 

7.Hino da Alvorada

これ最初ごちそうさんを彷彿とさせませんか…?笑

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唯一しっかり見ていた朝ドラなのに私は残念でなりません(何がとは言わない)

 

イントロがとってもゆずです。

(これを書くために取り上げた)

 

 

8.Diversidade

これはタイトルが「多様性」。

3で述べたとおり、人種や職業を超えた結束を歌うのが最近のガランチード。

タイトルを裏付けるような立ち位置の曲ですね。

 

黒人でも白人でもインディオでも等しく自由と多様性を認められなければならないといった歌詞。

ガランチードはすごく革新的だなと思います。

ボイって元々先住民やカボクロ(前々回の記事で説明していますよ)へのリスペクトがあってこそって感じでしたが、いわゆる外来の人々にも目を向けて歌っているところに、目線が未来を向いている印象を受けますね。

 

ここまで書いておいてあれですけど、私保守的革新的という単語があまり好きではなく…笑

時に人をカテゴライズしてネガティブな意味を与えうるからです。

なんとなくコロナの流行でその色が強まっている気がして、この文章書くか迷ったくらいなんですけど。

 

私はどちらの単語もポジティブな意味合いで使っているので、注釈程度に書いておきますね。

カプリは違うとか、そんなことが言いたい訳ではないってことをご理解ください、、

ちょっとボイから離れましたね、戻りましょうか。

 

 

13.Garrote Vencedor

懐かしさを感じるメロディーですね!

がっつりボイ(牛)をメインキャラクターにして歌っております。

9番のSinhazinha Belaとセットで出てくるかとおもいます。

 

 

 

 

さて、ちょいと書いてみましたがいかがでしょう?

文章だとなーんも伝わらないので、さらっとCD聞いてみてください。

掛け合いとかがすごーーーく意識されていて、会場での自分が想像される曲たちとなっております。

(最後の最後に記事の役割を放棄するな!!)

 

次の記事では動画いっぱいのお馴染み楽曲紹介です〜^^

ブラジルのCOVID-19

こんにちは〜

6月は大変忙しかったですね…更新も滞りましたね…

今後のために記事のストックを4本ほど用意したので、7月はコンスタントにお届けします。

飽きたの?って聞かれますが全然執筆に勤しんでおりましたので!!

 

 

さてさて、今回の記事はまだまだ収まる兆しのないコロナウイルスについてです。

暗いニュースが多くて萎えますね…

 

目次

気になるところから読めるようにしてあるのでご自身のペースでどうぞ

 

 

(1)ブラジル全体のコロナ

ブラジルのコロナ関連といえば悪い方向に注目されがち。

 

WHO脱退宣言に

 

死亡者数2位。。

 

ブンバ・メウ・ボイのマラニャン州は死者2千人以上(感染8万3千人)、サンバのリオデジャネイロ州は死者1万人(感染11万3千人)、アシェのバイーア州は死者2千人弱(感染7万3千人)……という惨状。

 

ボルソナロ大統領は絶対にロックダウンをしない、経済活動を優先させるというかなり強気な態度。州や市の自治体が独自に医療/生活に関連する施設以外の営業制限をかけましたが、6月から少しずつ再開している模様。リオは7月上旬から飲食店も再開するそう。

 

なぜ経済活動を優先せざるをえないかという点ですが、ブラジルは若い貧困層が多いことが理由に挙げられます。非正規雇用(契約や届け出に基づかない労働者)の割合が高いのです。

もともと貯蓄の習慣があまりないので、州の要請で営業停止を余儀なくされた経営者などは早々に悲鳴をあげることに。

借金を抱える世帯は国民の7割、5月無休であった労働者も1割。まさに飢餓と感染を天秤にかけるとはこのこと。

 

また医療があまり発達していないのも無視できません。

都市部には病院がありますが、先住民の村などは十分な医療体制がありません。コロナの治療を受けるために300km以上移動しなければならないなんてことも。

 

4.5月の経済活動の自粛でブラジルの経済は大打撃を受けていて、今後10年規模での立て直しが必要ともされる状態に。

十分な補償(給付金など)がないままに感染のリスクを背負ったまま暮らす必要がある現状に、国民の不満は募るばかり。

 

ワクチンや治療薬の登場より、国民に免疫ができてしまうのが先、なんて言われています。

 

 

 

(2)ボイへの影響

先日記事の冒頭で触れたとおり、6月末のアマゾナス州のボイ・ブンバは実施が見送られました。

 

本来ならブラジル全土でボイは6月がシーズン。

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何がどこだか覚えてますか〜?

 

どれだけ状況が悪くても!やっぱりサンジョアン(6月祭とも。夏の訪れを祝う)は特別。

来年のように派手なお祭りは各地で控えたものの、お家やボイのグループで小規模に開催するのはぼちぼち見られました。

 

 

#マラニャンでは

今年は人類の偉大な開発インターネットを使い!計3日のライブ中継が行われるとのこと。題してBumba Minha Casa(おうちでブンバ)!

すごい!Zoom飲みとかおうちライブとか色々みましたけど、街のお祭りをライブ中継ってドキドキしますね。

 

プログラムはこんな感じ↓

1日目(6/29):

ボイのチームが3チームと歌手Alcioneが参加

2日目(7/3):

Mano Borgesという歌手のライブ。

ボイ2チームも参加しますが、割とポップス寄りなプログラム。

3日目(7/10):

ボイのチームが3チームと、バンドのパフォーマンス

 

毎年ボイのチームがいくつか集結してステージで披露、会場付近でポップスの歌手やバンドがライブって感じですが、それを分散させた感じですね。

楽しそう〜いいな。オンラインでもいいから音楽がやりたいです。

 

↑1日目はこんな感じ。ボイのチームは1時間5分あたりから出てきますよ!

 

 

#アマゾンでは

イベントはかねてより発表されていたとおり無期限の延期になりますが…。

3日間開催される予定だったプログラムをオンライン配信に切り替え。

6/27に毎年使う会場で2チームが規模と時間を縮小してパフォーマンスしました。

あくまでボイのお祭りの時期に何かできないかってことで実施されたものなので、普段に比べたらかなり寂しいですか、それでも!!嬉しい!!(急に個人の感想)

 

↑ガランチード(赤)の様子

 

↑カプリショーゾ(青)の様子

 

いや〜〜〜まだ3分ずつぐらいしか見てないですけど良い……良い…すき…

 

ボイ・ブンバに関してはかなり集客というか観光を売りにしてる部分が大きいんですね。先ほどのマラニャンは地域で夏祭り!という風でしたけれども。

だから確実に人が呼べるようになる、また数万人規模のイベントが開催できるまではやらないというスタンス。

復活を待ちたいですね!

 

 

 

 

コロナの状況、コロナ下のボイを書いてみました。

オンラインの可能性がすごくすごく感じられますよね。

 

家にいても収入がない!外に出れば感染という状況でも、気軽にエンターテインメントにアクセス出来ることってすごく心強いじゃないですか。

ハロプロのライブ映像を見ながら書いている

 

何かの形でお金を落とせないものかとふつふつ考えている私でした。

 

さて、次回は大変引っ張りました今年のToadaとお馴染みのToadaのガランチード編を2記事同時に公開予定です!!

私もおうちブンバします〜

 

 

お馴染みのToada〜カプリショーゾ編〜

お久しぶりです!

幾多の締め切りに忙殺されており、ボイのボの字もない湿った生活をしている私です。課題の息抜きに就活をし、就活の息抜きに課題をする日々。諸々書くこと自体は好きなので苦ではないんですけどね…。

 

さてさて今回の記事では近年何回も登場してる曲、人気曲、私の好きな曲(大事)をまとめました!

いつも理屈っぽいので、今回は動画!聞く!楽しい!というシンプルなテイストにします〜。

 

 

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楽しそうな動画見つけたので貼ってみます笑

 

 

 

近年よく登場する2曲

○Sentimento Caprichoso(2010)

もう何度も何度も要所で見かけます。

頭にも使われたり、項目ダンサーにも使われたり、勝負曲ポジションな気が。

 

 

○Amazônia, nas cores do Brasil(2015)

これも要所に与えられがちの曲です。

このダンス動画の再生回数なんて歴代トップクラスでは…?

 

 

 

カプリっ子に人気曲

この記事が完成するかしないかぐらいに面白いツイートが!

(カプリっ子というダサいネーミングには触れない)

 

みなさんの好きな曲はなんですか〜?ってものです。

以下に挙げる曲も含まれていますよ。

 

○Povo Festeiro da ilha(2017)

2017年の頭の曲にもなってますね〜

私もライブで踊ったことがあります。ボイの振付はシンプルで独特なセンスながら、ハマると楽しいのでぜひ笑

 

 

○Delírio Azul(2002)

カボクロと先住民に大きくフューチャーした2002年の楽曲です。

ガレーラ(観客)が積極的に参加する曲だったり。

 

 

○O Ritmo é de Boi(2014)

個人的にアルバムが好きな2014年です。

私が最初の学祭で練習した曲なのでエモいです〜その頃叩けなかったカイシャ、今でも四つ打ちできません。。

 

 

○A Terra É Azul(2000)

ダンサーさんがストーリーとかでよく踊ってるイメージが強いです。

カプリショーゾといえばな曲のひとつ。

 

 

○Sensibilidade(2012)

この曲、さっきのよく登場する曲でもいいかな〜と思ったんですけどこっちにしておきます。

同年のViva a Cultura Popularも大事なライブの曲。

 

 

○Ritmo Quente(1997)

ちょっと前の映像ですごくよく見かける曲ですね。

観客も踊れるのでは…??

 

 

 

私が好きな曲

うふふ〜ここからは私の時間です♡(圧倒的に量が多い)

 

○Estrela Nova(2007)

Apple Musicでずっと聴いていたらカプリショーゾのトップソングに登場するようになって嬉しいです〜

2007年の頭の曲です。この年は「エルドラドはここ」というテーマでした。

 

 

○Bicho-Homem(1998)

インスタか何かでめっっちゃニッコニコで男の人が踊ってる動画みたんですけど、埋もれて見つからなくなってしまった……

そのニッコニコさんの顔が思い浮かぶ曲です。

 

 

○Festança Multicultural(2018)

3月にやろうとしてライブが中止になった負の思い出の曲です…ここに供養。すごく難しかったのに…。

 

 

○Tem Folclore na Floresta(2015)

これは普段のレバンタドールのダヴィ・アサヤギに加えて、バンダ・カリプソというバンドとコラボしてる面白い曲!

ポップスシンガーと一緒に歌う曲もあるんですよ。

 

 

Eu Quero Te Amar(2000)

これも内部外部問わず愛され曲。

採点項目ダンサーの勝負曲にも使われました!!

 

 

○Maria, a Deusa Tupinambá(2016)

いつかの冒頭で紹介したダンサーさんが引退するときに作られた曲。

すご〜〜くカッコいいんです!!

 

 

 

 

動画たくさんの回になりましたね。

特に1番最後をうっとり書いてたので、時間ができたらベストパフォーマンスを選ぶ記事も書いてみたいなと思いました。

 

続いてはガランチード…と言いたいところですが、次回は「ブラジルのCOVID-19 闘うアマゾン」を更新したいと思います。

 

私はちょっくら期末の課題と就活(22卒)頑張ります!!

この記事が完成したのは動画面接用のカンペつくりに明け暮れる午前4時…

今年のToada〜カプリショーゾ編〜

しばらくはボイ・ブンバをお届けします〜

追記:今年のボイ・ブンバはコロナウイルスの流行により延期です。開催日程は後日発表になるそうです。

 

ボイ・ブンバって何?って方は↓

アマゾンのボイ・ブンバI:イントロダクション - Pas-bumba

トアーダToadaって何?って方は↓

ボイの楽しみ方〜ボイ・ブンバ編〜 - Pas-bumba

 

最初にお詫びをしなければなりません。私は前回の記事で「今年の注目曲とお馴染みの曲を紹介する」と述べましたね。

でも書いてるうちに長くなってしまって、やはり時間がかかっても記事のクオリティは下げたくないなと思ったのでお馴染みの曲を次回に回すことにしました。

①今年のToada ②お馴染みのToadaの2部構成を、青赤の順でお届けします!

 

と、いうわけでこの記事では今年の曲をご紹介していきます!

 

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2007〜2016年の間クーニャ・ポランガを務めたMaria Azêdoという方。

すごく美人さんです…!今は国内でショッピングサイトを運営しています。

 

 

今年のCD収録曲を全部歌詞付きで組んでる動画のプレイリスト貼っておきます↓

↑右上の3本線をクリックすると全曲聴けます〜

この中から私が独断と偏見で選んだ6曲の背景を解説します!

 

 

5)A Batelha dos Três Exércitos

この歌の主人公はブラジルのワヤナ Wayanaという民族。今日ではワヤナはパラ州北部の川沿いの村で生活しています。

ワヤナは自然界、特に土地柄水生生物に馴染みがある部族であるものの、危険な動物としてヘビやトカゲ、ジャガーを挙げます。殺される危険があるからだとか。

そんな危険視されるヘビを前に戦うワヤナの3人の狩人(直訳だと軍人、軍といったものですが、槍などを扱う男のことを指してるので私は狩人と記しておきます)の歌。

月明かりの下で自然を相手に戦う臨場感が巧みに歌われます。

 

 

12)A Estrela Que Impera

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この写真の方はレバンタドール(ボーカル)や司会として長い間カプリショーゾを盛り上げてきたArlindo Júniorという方。昨年12月に亡くなりました。

1998/99年にはレバンタと司会の両方をこなすなど、精力的に活動していましたが、最後に司会をやった2014年以降、がんが治ったり再発したりの繰り返しでした。がんが良くなるたびに表に出てきて歌ったりしていたんですが、今はひとびとの記憶の中にいます。

この曲は、カプリショーゾにとって歴史の一部ともいえる功労者への追悼の曲です。

今年のショーでも大事に取り上げられるかと思います。

 

 

16)Caboclas

カボクロとは白人と先住民の混血の人たちのこと。Caboclasと女性形になっているのでわかる通り、この曲はカボクロ女性へのリスペクトを歌う曲です。

カボクロはボイ・ブンバ以外にもレシフェのマラカトゥ(リオのサンバ、サルバドールのアシェと並ぶブラジル3大カーニバルの1つ)という音楽でも演じられます。アマゾン以外にも北部(北東部)に馴染みが深いんですね。

カボクロは、いわゆる街の上層市民からの軽蔑の呼称でもありますが、この曲では「私は何でも知ってる。勇気や美しさも与えられた。賢くカボクロの女性として生きる。(ニュアンス)」と大変主体的で良く描かれます。

女性として、カボクロとして生きることの明るい面を歌う曲なので、ボーカルも女の人のトリオです。

 

 

19)Paquarina / Consciência Tribal

ペルーのチチカカ湖をご存知ですか?ここはインカ帝国時代、「すべてが生まれた場所」という意味のパカリナ Paquarinaと呼ばれていました。

その時代、人々の祖先は岩・山・泉など自然のものであると考えられ、信仰されていました。その中でもとある集団(ここで暮らす人間のこと)が出てきたとされる、特別な祖先こそがパカリナです。だから「すべてが生まれた場所」。

地球が荒ぶ時、それは我々人間にも及ぶもの。土地を守るために我々は抵抗するといった歌詞で、祖先(土地、パカリナ)に対して語りかけるような歌になっています。

 

 

20)Warana

ガラナサワーというブラジルの炭酸ジュースを飲んだことありますか?

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これはガラナ Guaranaという果物からできています。アマゾンのウルカラという地域で栽培が盛んで、その近辺の農家はガラナの収穫で生計を立てています。

 

で、その兄弟にあたる果物がワラナ Waranaです。同じくアマゾンのサテレ=マウェ Sateré-Mawé族がワラナの生産を担っています。

サテレ=マウェ族にとってのワラナは民族のアイデンティティを構成するものでもあって、力強さの象徴とされます。ワラナの種子から作られるジュース、チャポもまた、神聖な飲み物として考えられているのだとか。

ワラナの生産を継ぐ若者が都市に出てしまって生産のノウハウを知る人が少なくなっている問題に直面しつつ、今日でもサテレ=マウェはワラナ生産を続けています。

この曲では、ワラナが一族の繁栄をもたらす希望の存在として歌われていますよ。

 

 

22)Reahu / Comunhão do Espírito 

ベネズエラからアマゾンの最北部のヤノマミ Yanomamiという部族がこの歌の主人公。

ヤノマミでは葬式の最後に部族内の色々な家族が集まって大人数で葬式の最後を祝う儀式があり、レアフ Reahuと呼ばれています。亡くなった人の遺骨を囲みダンス、歌などのパーティーとも取れるものです。

ヤノマミの女性はすごく幼い年齢(14〜16歳)で出産するのですが、産んだ子は育てるか森に還すか選択をします。亡くなった時も森に数週間遺体をおいた後、焼かれます。その灰をひょうたんのような入れ物に分けて人々に与え、始まるのがレアフ。

 

実はガランチードが2003年に全く同じ儀式を歌にしています。

こちらも参考にどうぞ。

 

 

 

 

さてここまで2500字もつらつらと解説しましたが頭に入りましたか?ワヤナワラナ…ややこしくなってきますよね笑

 

冒頭でも述べたとおり、次の記事ではカプリショーゾのお馴染みの曲をご紹介します。何年も使われている、6月の本番以外のイベントでも登場頻度が高い曲を取り上げますので、サークルでボイを嗜んでる人は聞いたことある曲もちらほらあります。

 

お楽しみに!

ボイの楽しみ方〜ボイ・ブンバ編〜

現地で見たいぜ!って方はわざわざ私のブログを読まないと思うので、この記事では私なりの楽しみ方をご紹介します。

アマゾンのボイ・ブンバを2時間以上もポケ〜っと眺めていても退屈なので、ぜひ以下に挙げるポイントを意識して見てみてくださいね!

 

 

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さて、これは採点項目何番のダンサーさんでしょう?牛を愛でるような踊りをするのは・・・?

 

 

1)まずは登場する項目を覚える

この記事(⑤アマゾンのボイブンバⅢ:採点項目 - Pas-bumba)でも紹介した通り、21の項目が必ず登場します。その日に全て登場する訳ではありませんが、それでも大部分が1日に見られます。

 

大体司会のひとがこんな感じで叫びます。

この曲はRubra Rainhaというもの。もうガランチードでは何度も何度も使われてます。

 

動画の8秒ぐらいから「Rainha do folklore(ハイーニャ・ド・フォルクローレ)」と言っているのが分かりますか?採点項目の8番。

つまり、この曲では要職ダンサーの1人が点数を稼ぐ時間です。

 

この司会の声を聞いておくとその曲で何が起こってるか掴みやすいです。採点項目が頭に入れた状態だとなお、どこに注目すべきかが分かるので楽しめます。

動画最後の実況解説は映像化される時についたものなので気にしなくて大丈夫です。

 

 

 

2)テーマとその背景を掴む。

先程載せた動画は2017年のガランチードですが、テーマは「アマゾンの中心にある魔法と魅力」。

こんな背景を込めてテーマを決めました。

近年、環境汚染が懸念されているが、アマゾンの美しい土壌はギリギリ破壊から免れている状態。人々は手遅れになる前に、魔法と魅力の地・アマゾンを守ることができる。

 

それが分かった上でこちらを見ましょう。

これは採点項目17番のアマゾン文化からの9番守護の少女クーニャ・ポランガの流れ。
 
「魔法」というテーマだけを聞くとビビデ・バビデ・ブーを想像してしまいますが、しっかりテーマの背景をおさえておくとアマゾンの美しい土壌の奇跡→それを守るために闘う少女の登場と流れをうまく読むことができます。
 
 
 
3)曲のコンセプトを掴む
毎年21曲程度新曲(曲のことをトアーダ Toadaといいます)が発表されますが、その全てを聞き込んで覚えるのは、会場に入りたい人だけで大丈夫。
 
 
これだけ見て、何しているか分かりますか?
スペイン語圏に馴染みがある人はピンとくるかもしれませんが、1年生のスペイン語を再履になった私には分かりませんでした。
 
Eldoradoという曲を用い、600〜1600年の間コロンビアのアンデス北部に住んでいたされる民族、ムイスカの戴冠の儀式を模したパフォーマンスをしている映像です!
 
#そもそも #ムイスカの戴冠の儀式 #とは
ムイスカの新しい君主への戴冠式の日。未来の王はいかだでグアタビータ湖に向かう。葦で作られたいかだには、金とエメラルドの宝物を積まれるが、最も素晴らしい宝物は、新しい君主自身であった。彼は裸にされ、細かい金粉が吹き付けられた粘着性の樹脂層で完全に覆われていた。文字通り「金色の男」。大きなトランペットと歌を伴い湖岸から移動するいかだが湖の中心に到着したとき、群衆は沈黙し、黄金の供物を神聖な水に投げ入れた。
 
まさに4秒〜はいかだに載せられた金色の男と、いかだに一緒に乗っていたというお付きの様子です。
 
この黄金の男のことを聞いたスペイン国王が金やエメラルドを求めエルドラドに侵略者を送ったが、トレジャーハンターたちは金を見つけることができなかった…という伝説はご存知の方も多いでしょう。(ゴールド・ラッシュと似てますけど違いますよ!)
 
 
この動画は採点項目の「儀式」の様子。
「アマゾン」「部族(先住民)」「儀式」のパフォーマンスに該当する曲はニュアンスを理解しておくと良いです。これも曲が分からないと、エルドラドの儀式であることを理解するのは難しいでしょう。歌詞ページに翻訳をかける程度でも十分ですよ!

この単語をタイトルに含む曲はこの項目で使われがちって単語がいくつかあるので私なりにまとめてみました↓
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ritual、tribal、Amazônia…をタイトルに含む曲は要チェック!
 
参考までにこの年の曲たちも貼っておきます
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曲の背景を理解したいとは言え、わざわざ見るもの全部で調べるのも面倒じゃないですか笑。なのでこのブログでも要曲は紹介していくようにします。
 
 
 
 
抑えておくと良い3つのポイントを書いてみました。
 
来月には今年のボイ・ブンバが始まるということで、次回は今年のToada〜カプリショーゾ編〜と今年のToada〜ガランチード編〜を書いていきたいと思います。
今年の歌と、何度も演奏されている「お馴染みの」曲をご紹介します!

出典/リンク集

さてさて、私がボイを知る上で何回も参考にしたサイトを貼ってみます。

完全にブラジル音楽に馴染みがない人向けと、サークルなどでなんとなく基礎知識はある人向けに分けます!

そしてブラジル上級者さまがもしお読みでしたら、誤りの項目をバシバシご指摘願いたいです。私も頑張ります。

 

ではではどんどんクリックして下さいね!↓

 

 

 

1)ブラジル初心者向け

全くブラジル文化に馴染みがない人向けのサイトです。日本語なので安心して読めます。

 

  1. ブンバ・メウ・ボイ | 茶道裏千家ブラジル

    ブラジルで裏千家茶道を教えている方のサイト。基本の基本がまとまっています。

  2. Língua de Boi | ボイ・ブンバの歴史 その1

    ボイ・ブンバを日本語で調べてるとすぐ出てくるブログ。私の説明より数百倍まとまってるので参考にどうぞ。

  3. ブラジル文化を紐解く伝統の舞踏劇と地域毎の食文化 | 海外赴任・留学・資格に強いポルトガル語教室・スクール - アイザックポルトガル語ニュース

    これ1番最初に貼るべきなんですけど、そもそもブラジルには何があるの?っていうのが簡潔にまとまってます。

  4. ブラジル

    世界史の知識が抜け落ちてる気がする人はこちらをどうぞ。

 

 

2)ブラジル中級者向け

中級者とはって感じなんですけど、ある程度嗜んだことの有る人向け。ポルトガル語なので頑張って読みましょう!

 

  1. https://repositorio.ufu.br/bitstream/123456789/22995/1/TeatralidadeFestivalFolclorico.pdf

    アマゾンのボイ・ブンバを知りたければこちらのPDF!目を通せば基本的な情報は全部載っています。

  2. https://www.researchgate.net/publication/236200003_BOI_BUMBA_DE_PARINTINS_CENARIOS_NA_POS-MODERNIDADE_E_SUA_INSERCAO_NO_MARKETING_CULTURAL

    現地大学の教授の論文です。内部インタビューも豊富ですが、アマゾンのボイ・ブンバが抱える現状を知るのにおすすめです。

  3. Educa Mais Brasil

    ラニャンのブンバ・メウ・ボイとアマゾンのボイ・ブンバの基礎情報が載っているブログ。

  4. https://www.revistas.uepg.br/index.php/folkcom/article/download/2139/1491 
    ボイ・カレンバの説明がまとまっている論文。大体これ読めば十分かと。
  5. http://www.hcte.ufrj.br/downloads/sh/sh7/SH/trabalhos%2520orais%2520completos/REIS-DE-BOI-TEMPO-DE-FESTA.pdf

    ボイ・デ・レイスというカトリック行事側面からのボイ。

  6. https://acervodigital.ufpr.br/bitstream/handle/1884/44123/R%2520-%2520T%2520-%2520MAISA%2520FRANCA%2520TEIXEIRA.pdf?sequence=1&isAllowed=y

    ボイ・ア・セラを中心にブラジル中部の文化の紹介。長いですが、13ページ目に目次があるので必要なところをピックアップできます。

 

 

あまり沢山載せすぎても飽きるかなと思って選んでみましたが、偏りあったら教えてください。ちょいちょい追加予定です。

たくさんボイに触れてみてくださいね!