ボイってなに?
全く知らないよ!という方にいきなり現地の動画を見せるのはハードルが高いので、ボイの紹介をしている大学サークルのツイートをお借りします。
まずは東京外国語大学ブラジル研究会さんのツイートでなんとなく音楽のイメージを掴んでみてください⬇️
【Boi Bumba/ボイブンバ】
— 東京外国語大学 ブラジル研究会 (@tufsbraken) April 12, 2020
ボイブンバとは、ブラジルのアマゾン川流域にあるパリンチンス島という島で行われているお祭りで、毎年オリジナルの歌とダンスが披露されています。
迫力のある打楽器隊と華やかなダンサー、キャッチーな音楽が特徴です! pic.twitter.com/IazgoXbasq
これはアマゾナス州のボイ・ブンバというもの。
ちょっと原始的で、力強いですね。
そしてもうひとつ、今度は武蔵野美術大学ラテン音楽研究会さんより⬇️
さて今夜のご紹介です♫
— MAUラテン音楽研究会 (@MAU_LatinMusic) May 4, 2020
皆さん、このニュース見たことありませんか?🐃
ブラジル北東部のマラニョン州のブンバ・メウ・ボイが無形文化遺産に登録されたというものです🌟
カポエイラ・マラカトゥなどに引き続いての登録ですが、どんなものか動画で見てみましょう!https://t.co/eNKYWEXm6Y pic.twitter.com/lxUxZhiFoP
これはマラニャン州のブンバ・メウ・ボイというもの。
なんだか一気にテイストが変わりました。
さて、改めてボイとは何かを説明します。
簡単に言うとブラジル各地で見られる、牛の伝承に基づく歌や踊り、音楽によるお祭りのこと。
地域によって表現や名前が変わってきますが、総合するとブンバ・メウ・ボイというブラジル文化の1つ。
このブログでは省略してボイと呼びます。
ボイのイントネーションはcandyのアメと一緒ですよ〜。
「ボイ Boi」は日本語だとやはり「牛」という意味ですが、なぜウシが登場するのでしょう?ボイの起源を辿って説明します。
1番最初にボイのお祭りが確認されたのはペルナンブーコ州。
1630年にペルナンブーコの首都・レシフェで西インド会社の攻撃によりオランダ領ブラジルが形成されたのはうっすらと世界史の知識としてありますよね。
その後54年にブラジルがポルトガル領になった時にヨーロッパの宗教文化が入ってきて、現地の伝承の1つ、「牛の復活のお話」と融合して始まったのでは?と言われています。
1840年ごろレシフェの地元紙でボイのお祭りが確認されたので始まりとしていますが、実は文献にはきちんと残っていません。
なので明確な起源を突き止めることは難しいです。
ブラジルの伝承はいくつかあるんですが(ラバや狼男など!)、散々述べた通りボイのルーツは「牛の復活の話」。
あるところに農主がいた。牛を飼い暮らしており、その中でも一際美しい牛がいた。農場労働者のパイチコは、どうしても牛の舌が食べたいという妊娠中の妻のために、1番美しい牛を殺し、食べさせてしまう。牛がいなくなったことに気がついた農主はあちこち探し回ったが、見つかった時には既に亡くなっていた。大変悲しんだ農主は巫師に頼み、牛の復活を願った。すると牛は復活。農主はパイチコの一件を巫師の提言で知ったが許し、牛の復活を祝うパーティーを開いた。
ざっとこんな内容です。
読むものによって少しずつ違うんですが、大筋はどれもこの流れです。
カトリック教の奇跡の概念やアフリカ先住民の呪術師による癒しの話などから影響を受けているともいわれます。
お話に出てくる「復活のパーティー」を模したものが今各地で行われているボイのお祭りになります!
地域で発展するにつれて別の要素が加わったりしているんですが、それは後の記事で取り上げますね。
牛のお話がルーツになっているのでボイ(牛)。そのままですね笑。
ペルナンブーコで発生(したとされる)後はマラニャンやリオグランデ・ド・ノルテなど北東部で活性化し、西へ南へ広まっていきます。
今有名なのはマラニャンのボイで、昨年(2019年)12月にはUNESCOの無形文化遺産に登録されました!
アマゾンのボイも毎年数万人を魅了します。
今やボイはブラジル全土に深く根付いていると言えます。
ここまでボイのアタマの部分だけ説明してみました。
次の記事では最初に活性化した北東部でのボイを紹介します!