北東部のボイ
前回の記事ではボイのルーツを説明しましたが、今回は第2章としてブラジル北東部のボイを紹介します!
リオグランデ・ド・ノルテではボイ・カレンバ、マラニャンではブンバ・メウ・ボイ、バイーアではボイ・ジャネイロ(ボイ・デ・ジャネイロ)と呼ばれます。
1番最後のものは、ボイ・デ・レイス Reis de Boi というカトリック行事の色が強く、他のボイとは趣旨がちょっと変わってきます。
1個ずつ見ていきましょう。
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ブンバ・メウ・ボイ
動画はマラニャンでの様子。毎年6月に開催されます。
マトラッカ(ブラジル版のクラベス。動画内のカチャカチャした音はこれ)、ザブンバ(ブラジルのドラムみたいな。アフリカの楽器)などのパーカッションから、サックスやクラリネットなどのヨーロッパの楽器まで演奏に使われます。バンジョーも忘れてはなりません。
メインテーマはやはり牛の回復のお話。
パフォーマンスには農主・労働者・牛・巫師…など牛の回復のお話の人物が登場する他、ブラジルの先住民族を表した舞踊もします。
色んなグループがステージを用意しますが、競うという要素はなく、あくまでみんなで喜びを分かち合おう!という趣旨の行事として生きています。
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ボイ・カレンバ
リオグランデ・ド・ノルテ(以下RN)ではボイ・カレンバと呼ばれたりします。(ブンバ・メウ・ボイの総称に含まれる場合もあるので断言はできません。)
動画はRNの代表に挙げられるボイ・カレンバ・ピンタジーニョというグループです。今年(2020年)で115周年を迎える、歴史の古いグループなんです!
州の外でもボイ・カレンバ及びRN州の文化団体の代表としてパフォーマンスをしているので、他のボイとは違い年間を通して活動しています。
カラフルなテープが特徴的な赤い衣装に身を包み、牛の復活のお話を表現します。演奏は、ラベイカ(ブラジルのバイオリン)がメインで、タンバリンや他の弦楽器も用いられます。
毎年1月6日は公現祭というカトリックの休日。
12月に誕生したイエスを礼拝するためにベツレヘムを訪れた三博士がやってきた日です。
この日に音楽を奏でて人々のお家を訪ねて回る集団をテルノ・デ・レイスといいますが、この動画はバイーア州での様子を収めたものです。
他の地域の様に牛の復活のお話を演じるという性格は見られませんが、これもボイから派生したものなんです。
牛とカウボーイが先頭に立ち、その後ろを演奏隊が続き、人々の家の間を練り歩きます。
このボイ・ジャネイロの日になると家から子供たちが飛び出して行って、親御さんは心配するのだとか…。
ささっと3つ挙げてみました。
地図を見ても分かりますが、土地的にはあまり離れていないのにバイーアに入るとかなり宗教色が強くなりましたね。
ねぶたを想像してもらえれば分かりやすいかもしれません。
青森では青森ねぶた・弘前ねぶた・黒石ねぶた…と県内だけでもたくさんねぶた祭りが行われますよね。青森に伝わる立派な伝統の1つです。
側から見れば似たように見えるけど、地域によって規模や掛け声、山車の作りなどが細かく変わってくるじゃないですか。
ボイもそのように、側から見れば牛がいて…牛の復活のお話があって…と同じに見えますが、地域によって表現が全然違います。そこが面白くて、私はブログを書いています。
次はアマゾンのボイ・ブンバをご紹介します。
ボイの中でも大変規模が大きく、私が特に大好きなこともあって笑、記事を3回に分けて説明します。