アマゾンのボイ・ブンバI:イントロダクション
前回は北東部のボイを紹介しましたが、ここからは灼熱のボイ・ブンバを取り上げます!
説明が長くなってしまうので、3つに記事を分けます。
今回はボイ・ブンバの基本的な説明をします。
まずアマゾナス州は
ブラジル北西部にあります。
アマゾン川に浮かぶパリンチンス島が舞台になります。
毎年6月最終週末3日間に開催されるボイ・ブンバは、リオのカーニバルに次いで2番目に大きなブラジルのお祭りなんです!
毎年観客は数万人に及び、その時期パリンチンスを訪れる人は10万人を越えてくるとも言われます。島の住民が11万人ほどですから、いかに世界中から関心を向けられれているかが分かります。
会場外では他のジャンルの音楽も独自に繰り広げられ、すごく活気があります。都会からわざわざ歌手が来たりもするんだとか。
アマゾンのボイは赤チームGarantido(ガランチード)と青チームCaprichoso(カプリショーゾ)の2チームがパフォーマンスを競います。ここが他のボイとは違う最大の特徴です。
ガランチードの牛は白に赤いハート、カプリショーゾの牛は黒に白の星がモチーフ
毎年各チームテーマを決めて演目を用意し、21の採点項目で点数をつけ、点数の高い方が勝ち。
審判は音楽家や振付家など基本的な顔ぶれから、山車や巨大な大道具のつくりを見る建築家、ストーリーに伝統や宗教がきちんと反映されているかを見る民俗学者、総合演出家…などなど。幅広い視点から採点されるので、非常に多岐に及びます。
採点項目の話は3回目の記事にしますので、そこでまた詳しく説明しますね。
映像を見てみましょう↓
エ?2時間半も見るの?と思ったそこのあなた。
これは青チームだけで、本番は赤チームもあるので2時間半×2のぶっ通し!これでもたったの半分なんですよ、、
しかもそれが3日間続きます。大体の人は1日だけ参加するみたいですけども。
見るにも体力が必要ですが、その分熱気も凄まじいです。
アマゾナス州でのボイの歴史は1859年まで遡ります。州都マナウスを訪れた旅医者によると、それは「マラカスが刻むリズムに合わせて踊る牛や合唱団」だったと。パフォーマンスは大体4〜5時間、多い時は一晩でそれを2つ(4〜5時間×2)披露したそうな。
ガランチード、カプリショーゾというチームができたのは1910年代。
ガランチードがまず結成され、その後を追いカプリショーゾが結成されました。他にも色々なボイのグループがいましたが、1965年のフェスティバル創設までに残ったのはこの2チームでした。
もともと地元のカトリックの若者のパフォーマンスとカトリックのお祝いの伝統に関連するコミュニティのパーティーとして始まったフェスティバルは、2000年に入るまでに徐々に現在の形になっていきました。
簡潔にまとめると、ボイ以外も参加するフェスティバルに2チームが出演→ボイが盛り上がる→徐々にボイのお祭りにという流れです。
大まかな触りだけ紹介してみました。
次の記事ではボイ・ブンバの一年や出し物を見ていきます。